差し入れ
「おいっ!○川」
「ハイ?何ですか」
「これ飲め!」
って具合に、A部長からもらったのが、写真の
野菜ジュース。
叱られるのかと思ったら、差し入れだった。
この部長さんは、僕が記者で入社した頃の先輩記者で、僕の教育係だった。
それ以来、僕との会話は、こんな感じ。お互い髪の毛がうすくなっても、その会話の調子は変わらない。
僕にも後輩の記者がいたが、彼と僕との会話も同じようなものかな
高校の頃は、運動系のクラブに入っていたので、
上下関係には気を使う。年齢的には、わずか一つ二つくらいしか違わないのに、天と地位の差があった。
それは、それで嫌いではなかった。
高校を卒業してからクラブの集まりとかには、ほとんど参加しなかったので、意識的には高校の頃のままだ。
だから、先輩とかに会うと、今でもちょっと緊張する。
でも、クラブ自体は、仲がよくて、今でも一緒にチームを組んで社会人の大会に出たり、模合をしている。たまに、集まりに参加したとき、当時の先輩後輩が同級生のように話しているのを観ると、嬉しくなる。
僕のクラブは、厳しいクラブで年に一日しか休みがなかったが、一生懸命一つのことに打ち込んだ体験は、大きな財産になった。
そして、スポーツを通して辛苦を共にした絆は深い。
そんなこともあって、娘が高校に入学した時、クラブへの参加を勧めた。
しかし、娘はスポーツが嫌いだった。で、入部したのが、
茶道部。
理由は、「
楽で、お菓子が食べられるから」だそうだ
えてして、親って、自分の子供を、自分の人格と
同一に思っているところがある。
が、それはとんでもない間違いで、全くの
別人格である。
子供が小さい頃は、自分のミニチュアくらいにしか思っていない。
ところが、子供は成長とともに、まるで細胞分裂するかのように違う箇所を形成していく。
そんな現実を目の当たりにして
別人格を意識し始めると、親はちょっと寂しくなったりするのである
もちろん、うれしいのもありますが。